祖父母への思い
祖父、祖母、姉が眠るお堂に、
恒例のお参りに行く。
昨年は、雅楽が演奏され、
大勢のお坊さんが並ばれたので、
今年も厳かな時間を待った。
が、今年は修行僧のような若手のお坊さんが5人で、
座り方が不安定で上半身がぐらぐらしていて、
読経の声も小さくて聞こえづらい。
時間も短くて、あっけなかった。
専門職のお坊さんに、
自分たちにはできないことをしてもらっているのだと
頭ではわかっているものの、つい、がっかりしてしまう。
お経をあげてもらう側にとってはどうなのだろうと思って、
祖父母に意識を向けて、問いかけてみる。
大好きだった祖父母は、
若いお坊さんなりに一生懸命がんばっているんだよと、
好意的に受け止めているように感じられた。
決して表情や声を尖らせることなく、
いつも穏やかにどんな人も受け入れていた祖父母の
生前の姿を思い出して、懐かしくなった。
まだまだ私は心が小さいなぁと、改めて思った。
祖父母の心の広さに追いつき、
「向こう」の世界にたどりつくまでには、この世に生きて、
するべきことがたくさんあると教えられた気がした。
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