冷蔵庫のうえの人生
前から気になっていた、「冷蔵庫のうえの人生」を読む。
冷蔵庫のうえの人生 アリス・カイパース著
忙しすぎる産婦人科医の母親と、思春期の娘が
冷蔵庫の上に貼るメモで会話していく物語。
買物のお願いやおこづかいのおねだり、
学校のこと、彼氏のこと、ペットのこと、などなど、
一見ふつうの短い連絡やメッセージ。
それがなぜか胸を打つ。
メモとメモの間の、日常生活や心の動きが浮かぶから。
乳癌のことを娘にどう伝えようか、苦悩する母親の気持ち、
心配のあまり、強がって反抗的になる娘の気持ち、
それが行間ならぬ、メモとメモの間に透けて見える。
さらっと読めば20分。
でも、
「私はいい母親だっただろうか」という母親のつぶやき、
「いい母親なんかほしくない。お母さんの子でよかった。」と
素直に語る娘。
そんなことばたちに揺さぶられて、何時間も余韻が残った。
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