いぬいふくし村のお話
昨日訪れた篠山市乾新町で、NPO法人いぬいふくし村の理事、
山中信彦さんのお話をうかがった。
会場の「コミュニティカフェみーつけた」の店内は、
テーブルや椅子、飾りなどに木のぬくもりがあふれている。
店員さんも、あたたかさがこぼれそうな笑顔で迎えてくれる。
「コーヒー」「レモンティ」とオーダーしようとする私たちに、
山中さんが、「手話で。。。」といたずらっぽく笑った。
このカフェは、NPOが運営する身体障害者小規模作業所で、
彼女はなんと、耳が聞こえない方だったのだ。
そんなサプライズで始まった山中さんのお話は、
障がい者を施設の中ではなく、地域の中で生活できるように、
という信念が満ちていて、心を打たれた。
他に運営する、
知的障害者小規模作業所「紙ふうせん」も、
障害者福祉事業所で作る商品を販売する「みんなの家」も、
そこで働く障がい者を、助けが必要な子どもとしてではなく、
1人の大人として接し、お互いに助け合う。
カフェには、足が不自由な方と耳が聞こえない方がいる。
足が不自由な方は、あまり動き回らなくていい厨房で働き、
耳が聞こえない同僚に、常に手話で通訳している。
彼女は、このカフェに来てから、手話を覚えたという。
支援者も、それぞれのペースで、できることをする。
掃除が得意な人は、お店をピカピカに磨き上げ、
お花の世話が得意な人は、お店の外のお花を植え替える。
私は、そんな企業組織をつくる支援をしたいので、
やっぱりできるんだ!と、大きな勇気をいただいた。
優しい笑顔で語る山中さんが、ここまでこられる道のりは、
並大抵のご苦労ではなかった。
新しいスタイルをつくろうと思うと、
地域の方、行政の方、障がい者のご家族・・・などなど
あらゆる方に何度も何度も伝えていく必要がある。
「私はこの町一番の嫌われ者ですよ。」ということばに、
山中さんのリーダーシップの強さを感じた。
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