仕事の顔
営業職のクライアントさんを
電話コーチングしたときのこと。
匿名で掲載許可をいただいています。
彼女はいつもおっとりとした口調で、
ゆっくりゆっくり話す。
困っていることを話すときも、
うれしかったことを話すときも、いつも変わらない。
その日はたまたま、
上司とのコミュニケーションをテーマに話していた。
彼女は、トップセールスを何度もとられている営業職。
行き詰った様子に、ふと思いついて、
「上司が、大切なお客さまだとしたら?」と問いかけた。
その瞬間、電話の向こうの空気が一変した。
しばらく息を飲んだまま、沈黙されたあと、
「そっか! お客さまと思えばいいんだ。」
弾んだ声が返ってきた。
彼女の中で、答えが見えたみたい。
「今、グッと、メヂカラが強くなりましたね。」と、
感じたままフィードバックした。
電話だから見えたわけではないけれど。
彼女が言うには、
営業のときは、ガラッと態度が変わる。
「契約を取りに行こう」と気持ちがシャンとして、
自然に、話し方も動作もテキパキするのだとか。
丁寧におもてなしの営業をされるのかとイメージしていたら、
ふだんの彼女からは想像もできない姿。
職場では、上司や同僚と厳しい仕事の話をするときも、
人一倍ゆっくりとしたペースで話されるという。
コーチングのときも、そうだった。
初めて見せてもらった、クライアントさんのお仕事の顔。
やっぱり、人はおもしろい。
いろんな顔を持っている。
「今からすぐ上司のところに行って来ます。」と
自ら宣言して電話を切った彼女の声は、凛と響いた。
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