病院で見かけた素敵なお母さん
病院の待合室で
お母さんと小さな女の子が
精算を待っていた。
女の子は大泣きした
後みたい。
しばらくして、
受付のお姉さんが、「よくがんばったね。どれがいい?」と
シールやカードなどを持ってきた。
女の子は、お母さんと右手をつないだまま、
口を一文字に結んで、首を横に振る。
お母さんが「いらないの?」と言うと、黙って首を縦に振る。
そのとき、お母さんがこう言った。
「楽しみにしてたのにね~。
よ~く考えて。
今いらないって言ったら、後でもらえないよ。
おうち帰って、やっぱりほしかったって言わない?」
すると、女の子は、お母さんの手をパッと離して、
びっくりするくらい真剣な眼差しになって、
お姉さんの手元のプレゼントを見つめている。
お姉さんも床に座り込んで待っていると、
「シール」とつぶやいた。
そして、お姉さんが1枚1枚見せていくと、
「ぷりきゅあ」とつぶやいた。
受け取ったあとも、女の子は無言のまま
じーっとシールを見つめてた。
受付にお名前を呼ばれて、帰れるとわかると、
急にシールを指差しながら、しゃべり出した。
「ちょっと待ってね。」と言われても、止まらない。
すっかりごきげん。
このお母さん、素敵だなと思った。
「よく考えて」と、彼女に委ねて、待つ。
なかなかできないことだと思う。
つい、受付の方に気を遣ってしまって、
勝手に好きそうなものを選んだり、
もらいなさい、と促したりしてしまいそう。
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