言葉で治療する
病院の待ち時間に、
鎌田實さんの「言葉で治療する」を読んだ。
「言葉で治療する」 鎌田實著 朝日新聞出版
鎌田實先生は、
心ないことばを投げる医師や環境に対して
憤りをあらわにしながらも、
そんなことばに傷ついた患者さんだけでなく、
厳しい環境の医療現場で、
自分が感染するリスクをとりながら
献身的に看護や介護をしている医師や看護師に
温かい目を向ける。
医療従事者側に優しいことばを一方的に
要求するのではなく、
医療や介護を受ける側からの「ありがとう」も
優しいことばも必要だという。
これは、親と子ども、学校の先生と保護者、
企業の上司と部下、店員さんと生活者、
などなど、どこでも同じだと思った。
サービスを受ける側だから、
弱い立場だから、
してもらって当たり前という傲慢さが
いつのまにか生まれてしまう。
人にどっぷりと関わり、
使うことばが相手にとても影響を与える
お仕事をしているので、
ビジネスの参考のために読み始めたのに、
病院で読んだせいか、
妙に臨場感があって身にしみる。
そう思うと、自然に
「ありがとうございました」に気持ちがこもった。
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