家族にコミュニケーションを鍛えられる
軽い認知症の父が、トイレの電気を消し忘れて
リビングに戻ってきた。
「あれ?電気がついてますね。消せますか?」
と穏やかに言うと、
「あぁ」と、戻って自分で消しに行った。
珍しい。
父が自分で消しに行ってくれたことも、
私が穏やかに対応できたことも、
どちらも珍しい。
そうなの。
私の気持ちに余裕があって、穏やかに話すと、
父も落ち着いて、会話が成立することもある。
これまでも何度もそういうことを体験していて、
よ~くわかっているの。
それでも、
夜中に階下の窓が開けっぱなしになっていたり、
お風呂や洗面所の水が出しっぱなしだったり、
外から冷気を感じるほどエアコンが動いていたり、
そういうのを見つけると、つい慌ててしまって、
口調がきつくなってしまう。
すると、父も「僕じゃない」「うるさい」と怒って、
物を投げたりして逆効果になる。
見つけたときにびっくりして焦ってしまうのは、
私の中の感情の問題。
伝えたいことや、対処したいことは別。
わかっていても、なかなか難しい。
わかっているからこそ、なのかもしれない。
当たり前のことを当たり前にやること、
わかっていて、できないのが一番もどかしい。
コーチングやコミュニケーションの研修で、
事実と感情を切り分けることや、
自分の感情との付き合い方を扱うときに、
自分にも言い聞かせていることを実感する。
人に伝えながら、自分でも確実に実践すること、
認知症の家族がいることで、
そんな修行の機会を得ているんだなぁと思う。
怒ったり、反省したり、うまくいって喜んだり、
そんな繰り返しの日々。
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