才能に非ず
「頭がいいのね。」と、才能や知能をほめるのと
「よくがんばったね。」と、努力をほめるのは
どちらがよいでしょう?
ということが、「非才!」に書かれていた。
「非才!」 マシュー・サイド著 柏書房
この本全体の主張は、
この世には遺伝的に決まる才能なんてない。
すべては努力で決まる。というもの。
つまり、冒頭の問いの答えは、
努力をほめること。
キャロル・ドゥエックの研究によると、
才能志向のほめことばは、
意欲を損ない、成績も損なう。
「頭がいいね」とほめられた子どもは、
失敗を恐れて、簡単な課題を選ぶようになり、
同じテストを受けると、成績が20%低下した。
「よくがんばったね」と努力志向のほめことばを
繰り返すと、成功を追求するのではなく、
どれだけがんばれるか、実りある挑戦をして、
成績は30%向上した。
という内容。
確かに、
ビジネスでも、いつも業績の良い人は、
あの人はできて当たり前と思われて、
めったにほめてもらえなかったり、
「あなたはデキが違う。」などとほめられがち。
それが逆効果なら、なんともったいない話。
優秀な部下にとっても残念なことだけど、
まじめな上司にとっても、
研修でほめろと言われたからほめたのに・・・と
努力が水の泡になりかねない。
コミュニケーションの世界は奥が深いからこそ
おもしろい。
コンサルティングや研修で伝える立場として、
より深いところを探求して、
関わるみなさんに本質的なポイントを
伝えていかねば・・・と気持ちがひきしまる。
夏から隔週で連載している
帝国データバンク大阪支社発行「帝国ニュース」の
コラム「コミュニケーションのこころ」の本日版にも
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