大丈夫?の期待
クライアントさんの先を越さないこと、
これは、2003年後半ごろに受講していた、
コーチングの資格取得コースのスーパービジョンで
直感力があるのは強みにもなるけれど、
クライアントさんが気づく前に投げると
水晶玉の世界になるよ
と言われて以来、気をつけていることの1つ。
そのスーパーバイザーさんは
最近読書会でお世話になっている方です(^^ゞ
でもそれは、まだまだかなり甘かったみたい。
いのちの電話のお仕事を何十年もされ、
後進の指導もされている方のことばを読んで、
想像を超えた奥が深さに驚いた。
その方は、
例えば、転んだ人に「大丈夫?」と聞くのは、
既に質問者の期待が入っているとおっしゃる。
つまり、「大丈夫。」と答えることを期待していて、
相手も、「大丈夫。」と答えざるをえないという。
ここは、黙って待つか、
「つらいですか。」「痛いですか。」などと
相手の感覚に沿う言語を使うのがいいらしい。
カウンセリングの現場では、
離婚や自殺を考える相手がひとしきり話した後に、
お子さんへの気がかりを話し始めたとき、
「お子さんはいくつ?」などと聞くのは、
カウンセラーが、話題が変わったことに安心して、
気が緩んでいるのだと指摘する。
こういうときも、黙って待つか、
「お子さんのことが浮かんだのですね。」などと
あくまでニュートラルに接するようにと指導される。
もし彼女に私のコーチングを聞いていただいたら、
あちこち指摘が飛んでくるかもしれない。
コーチングなので、ただ黙って聴くのではなく、
クライアントさんの気づきや進化の役に立つように、
どんどん関わりながら、一緒につくっていく世界。
なおかつ、追い越したり引っ張ったりしないように、
ときどきこういう視点からもチェックして、
もっともっと極めたい。
何年学んでも、何年プロとして活動しても、
どこまでもどこまでも奥行きがあるのがおもしろい。
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