事業承継を社長就任時に考えた経営者の講演を聴く
先日、朝日熱処理工業株式会社の村田会長の講演を
聴いた。
お父さま、お兄さまの後を継いで、
1990年に46歳で代表取締役社長に就任されたときに、
なんと、20年後に社長を退くことを決意されたという。
そして、20年間かけて準備を進められ、
20年後の2010年に、同族ではない現社長に譲られて
代表取締役会長になられ、
2012年には代表権のない会長になられている。
コーチングや経営相談の現場で、
事業承継される経営者の方や後継者の方に接する機会も
あるだけに、
これを決めて、準備して、実現されることが、
実際にどれだけ大変なことかと思うと、
会長の精神力の強さ、ぶれない意志の強さに感嘆する。
譲るにあたっては、
後継者の条件などもおっしゃっていたけれど、
私が一番心を打たれたのは、
「自分の存在を薄める努力をしてきました。」というところ。
会長は淡々とおっしゃるけれど、
今なおどっしりとした存在感のある村田会長が、
会議に出ない、自分と意見が違っても新社長に任せる、
という1つ1つは、
並大抵の覚悟ではできないことだと思う。
会社を続けていくためには、
事業承継は、社長になった瞬間から考えることなのだと
深い学びをいただいた。
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