不条理劇でことばの力を考える
舞台「昔の日々」を
観に行く。
真四角に設営された
お部屋の中だけで、
若村麻由美さん、
堀部圭亮さん、
麻実れいさんの
3人のセリフだけで、ストーリーが展開されていく。
3人が好き勝手にバラバラに話しているように見えて、
会話もストーリーもかみあっていないように思えて、
開演からしばらくは、混乱に陥った。
不条理劇といわれるジャンルらしい。
だんだん、シンプルなセットで展開されていくからこそ
浮き彫りにされる人間模様の深みにひきこまれ、
誰が実在の人物で、誰が架空の人物で、
どれが現在のお話で、どれが回想なのか、
どんなふうにも解釈できる不思議な世界に魅せられる。
終演後にはアフタートークショーがあって、
3人の出演者の方が、有名な演出家の方のエピソードや
不条理さについて語られて、
観劇直後の余韻がまた深まっていく。
役者さんが、単語1つ1つを何度も何度も繰り返させて、
日本語がわからないはずの演出家さんが、
「その語感はちょっと違う」「その単語だ」「そのトーンだ」と
作りあげられたというお話が、興味深かった。
ことばがわからなくても、ニュアンスや感情は伝わる。
逆に、ことばがあることで、伝わりにくくなるものもある。
深い世界。
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