「奇跡の脳」の研究者魂に圧倒される
マインドフルネスを学び始めた一環で、
アメリカの脳科学者ジル・ボルト・テイラーさんの
「奇跡の脳 脳科学者の脳が壊れたとき」を読む。
「奇跡の脳」 ジル・ボルト・テイラー 新潮文庫
学術書ではなく、ジル・ボルト・テイラーさんご自身が
実際に脳卒中を起こされたときに、
「脳科学者が内側から脳卒中を体験できるなんて
貴重だわ。」と考えられて、
ご自身の脳や体の変化を刻々と記憶され、
回復されてから記録されたという奇跡のような1冊。
脳の機能は壊れても、意識や感覚はあるから可能だったと
書かれているけれど、
自分で脳のどの部分から出血しているのか理解し、
機能が壊れ、体の自由が利かなくなっていくプロセスを、
パニックを起こしたり悲観したりするのではなく、
落ち着いて観察できるなんて、
なんという研究者魂なのだろうと、ただただ驚く。
助けを求める電話を1本かけるのに、
名刺の意味がわからなくなり、
電話番号の数字と電話機の数字がわからなくなり、
図形として認識して同じ形のボタンを押して、
40分かけて職場の同僚にようやくつながり、
相手の言葉も理解できず、自分の声も言葉にならず、
というような臨場感あふれる描写がすばらしい。
8年もかかった回復のプロセスを通じて、
患者にはどう接するべきか、
どのような教材が役に立つのか、など
まさしく生きた教科書として残されている。
ジル・ボルト・テイラーさんご本人のスピーチ映像も
Youtubeで公開されている。
とても脳卒中を患った方とは思えない力強さに
圧倒される。
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