「阿弖流為」の世界を楽しむ
歌舞伎NEXT
「阿弖流為」を観る。
数か月前に
ポスターの迫力に
目を奪われた。
市川染五郎さんは、
歌舞伎を見始めたころ
青年役の美しさに
見とれて以来で、
オーラの大きさと
存在感に驚く。
中村勘九郎さんは、
勘三郎さんを思い出させる雰囲気で、
軽妙な場面のうまさと、
気迫あふれる立ち回りの
振り幅がものすごい。
このお2人が
両サイドの花道で向かい合うシーンは、
メヂカラだけで、熱が伝わる。
七之助さんは、
ポスターほどの妖艶さはなかったけれど、
女形さんが演じるからこその、
女性らしい表情やしぐさと
男勝りの凛としたたたずまいが
美しく描かれる。
幻想的な場面で
1幕が終わり、
余韻に浸っていると、
突然、幕の端っこから
男性が登場し、
ぶぉーんと
掃除機が音を立てる。
こういう1つ1つの
作業のおかげで
舞台が保たれているので
ありがたいと思いつつ、
一気に現実に引き戻されて、
笑いが止まらなくなる。
脇を固めるベテランさんも圧倒的な存在感で、
渾身の役づくりもすばらしく
照明や音楽が効果的に使われていて、
かっこいい舞台がつくりあげられている。
歌舞伎は古典ものが好きだったけれど、
現代劇と歌舞伎が融合するのもおもしろい。
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