リーダーシップの名著に出会う
企業経営者やリーダーにぜひおすすめしたい
リーダーシップの名著に出会う。
「アメリカ海軍に学ぶ「最強のチーム」のつくり方」
マイケル・アブラショフ著 三笠書房
海軍の軍艦を立て直した名艦長の事例なので、
自分がこんなふうにできるかというと
はるか遠い世界に思えてしまうかもしれないけれど、
自分が上司にこんなふうに関わってもらえたら?と
いう視点で読んでみると、
「もっとよいやり方は?」と知恵を絞って考えたくなり、
思い切って提案したくなり、
モチベーションも生産性も上がることが想像できる。
軍隊=絶対服従というイメージを持ちがちだけど、
著者は、「命令では人は動かない」と言う。
厳しく管理することは、
部下の才能を引き出す最良の方法ではなく、
「君が艦長だ」と自分で決断を下す訓練をした。
これは、私たちがコーチングで大切にする考え方や、
企業研修でリーダーに伝えることと同じ。
軍隊でも組織でも、
人が離れる理由は、「大切に扱ってもらえないこと」。
最後に
「指導者の評価は、本人が組織を離れてから
半年か1年立つまではくだすべきではない」
「自分が在任中にどれだけのことを行ったかということを
正確に判断できるのは、
自分が後任に何を手渡したかによる」
というところに、ぐっと心をつかまれた。
つい、自分の功績を主張したくなるところを
後任が成功したのは、自分が耕しておいたからだと
かつての部下が後任を支える力となることを喜び、
後任の成功や出世を喜ぶ。
トリンプ・インターナショナルの吉越浩一郎さんが
訳されているせいか、
翻訳書の読みにくさがない明快な文章なので、
シンプルな主張がすっと腑に落ちる。
リーダー像の指針として、おすすめ。
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