「アリスのままで」でプロの引き方を思う
DVDで「アリスのままで」を観ました。
言語学を教える大学教授の女性が、
若年性アルツハイマーを患うお話です。
最初は、話していて簡単な単語が出ないとか、
キャンパス内で道がわからなくなるとか、
疲れているのかな、と見逃してしまいそうなこと。
言語学者にとって、
ことばが出てこないことは、
人一倍ショックで、イライラすることのはず。
クロスワードを解いたり、
タイマーを鳴らして単語の記憶テストをしたり、
彼女なりに必死で抗う姿が痛々しいです。
同じところを何度も読まないように、
蛍光マーカーを引きながら原稿を読む工夫をして
立派に講演をやりきる姿に、心を打たれます。
1人で知識労働系の仕事をしている私には、
いつまで通用するのだろうという怖さは常にあるので、
他人ごととは思えず、
私は彼女のように、最後までプロの誇りを保てるのか、
家族がいない私は、予兆に気づいて対処できるのかと、
主人公と自分を重ねて、思いをめぐらせてしまいます。
最後の最後まで仕事に携わっていたい、
けれど、仕事の質を落として迷惑をかけたくない、
今想像するだけでも葛藤が起こるのに、
プロとして引くタイミングは難しいです。
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