「伝える」と「伝わる」の違いを実感する
ある企業さまで、
提案型営業のプレゼンテーションの
トレーニングの総仕上げとして、
トレーニングを受けていない方に
お客さま役をお願いして、
実践演習を行った。
役割や状況設定は全員同じでも、
営業担当者によって、
会話の展開も、話す量も、最終的に提案する内容も、
個性や人柄があらわれる。
途中で休憩をはさんだときに、
お客さま役の方が興味深い感想を聞かせてくれた。
「今の○○さんは、何でもすらすら答えてくれたし、
詳しかったし、すごい情報量だったと思うんですけど、
今終わったばかりなのに、記憶に残ってないんです。
でも、その前の人の会話は今も覚えているんですよ。」
確かに、
後の方は、商品知識が豊富で、流れるように説明された。
その前の方は、
途中で詰まったり資料を確認したりしていたけれど、
お客さまの言葉を1つ1つ拾って、実直に懸命に答えていた。
必要な情報を100%正しく伝えても、伝わらない。
情報量は60%くらいでも、伝えたことが記憶に残る。
「伝える」ことと「伝わる」ことは違う。
プレゼンテーション研修で強調していることが、
研修を受けていないお客さまの感想として表れたことに、
感動してしまった。
もちろん、商品知識はとても大事。
間違ったことを伝えてはいけないし、
お客さまの質問に答えられる深い知識と応用力も必要。
その基本をある程度クリアすれば、
あとは、「ひと」の力。
「伝わるように伝える」力。
コーチであり、コミュニケーションを伝える立場の私が
プレゼンテーションを教える意味や使命を再確認できた。
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