「観客の想像力を働かせるのがいい芝居」
先日実家に帰ったときに、TV番組欄で、
市村正親さんと立川志の輔さんの対談を見つけて、
「達人達(たつじんたち)」の再放送を深夜に観た。
市村正親さんの、
「観客の想像力を
働かせてあげるのが
いい芝居。」という
ことばが心に響く。
役者さんにとって
憧れの帝国劇場で、
一生懸命に演じてカンパニーを引っ張っていたら、
外国人の演出家に、
「そこまでやらなくていい。50%でやってくれ。」と言われ、
抑えてやってみたら、
初めて「壁が鳴った」(=お客さんが反応し始めた)という。
全部与えるのではなく、
お客さんが、もしかしたらこういうことなのかな?と思うのが
いいお芝居。
市村正親さんは、
日本人離れした濃いお顔立ちと迫力のある声や演技で、
ステージに立つだけで圧倒される。
「スウィーニー・トッド」でも、
市村さんは、セリフも歌もまだ一言も発していなくても、
そこに登場された瞬間に、芝居の世界にひきこまれた。
関連記事:「「スウィーニー・トッド」で感じた組織の力
」(2016.05.13)
それは、全部出し切って与えているのではなく、
抑えて抑えて、観客から引き出しているからなのかと、
プロのことばとして、とても含蓄がある。
レベルが違うとはいえ、
これは、どんなプロフェッショナルにもあてはまると思う。
同じと言うのはおこがましいけれど、
コーチングでも、コンサルティングでも、人材育成でも、
お役に立ちたいと思うと、知っていることを全部伝えたくなり、
too muchになってしまう。
クライアントさんが、こうすればいいのかな?と思い始めると、
うまく回り始める。
わかっているのに、これが難しい。
抑えること。
これをやりきれるかどうかが、プロかもしれない。
舞台が大好きな私にとって、
自分の仕事のめざすプロフェッショナル像と重なるのは
何よりうれしい。
舞台や役者さんから学び、自分のあり方を磨く。
なので、これからも、舞台をいっぱい観なきゃ!(^^)
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