採用前にネガティブな面を見せる
数年前から「にじゆら」の
手ぬぐいを愛用している。
カラフルな色合いでデザインもかわいくて、
手ぬぐい地のバッグやグッズも
おしゃれなものがいっぱい。
だけど、
実はその製造現場は小さな工場(こうば)で、
臭いも汚れもすごいらしい。
2週間前に、
にじゆらのブランドを手がけている
堺の注染の老舗、株式会社ナカニの
中尾雄二社長の講演を聴いた。
商品やショップがマスコミにも取り上げられ、
そのイメージを持って求人に応募される方が
増えたという。
そこで、まず問い合わせの段階で
決してきれいな現場ではないことを強調し、
労働条件や環境もよくないことも説明し、
会社に来てもらって作業現場を見せ、
職人さんと1対1で実態を話してもらい、
とことんネガティブな面を見せてから、
「それでもここで働きたい」と言う人だけを
採用しているという。
就職前や配属前に思っていたイメージと
違うから、と言って辞めていく現象を
「リアリティ・ショック」と言われる。
この採用難の時代、
1人でも来てもらいたくて、
中小企業のよいところを伝えたくなるけれど、
採用コスト、初期育成のコストが高いので、
過度な期待を持って人を集めたとしても、
すぐに辞められてしまうと、とても痛い。
ナカニさんのようにここまで徹底できるのは
強いブランドがあるからこそだと思うけれど、
他の会社でも、実態を知ってもらって、
リアリティ・ショックを和らげる参考に
なりそうな事例だと思う。
そして、できれば、
印象や意見、要望を聴いて、
コストをあまりかけないように知恵を絞って、
働きやすい職場にする取り組みをしてほしい。
« 大阪勧業展で笑顔に出会う | トップページ | べっ甲ネイル »
コメント