コーチング研修事例紹介:「高校生の娘が部屋に入れてくれたんです!」
~事例掲載の許可をいただいています~
「高校生の娘が、部屋に入れてくれたんです!」
幹部向けのコーチング研修の2日めの朝、
私の到着を待ち構えていた男性が、
駆け寄るように報告してくださいました。
「またスマホばっかり見て」
いつものように文句を言いたいところをぐっと我慢して、
「楽しそうだな。そんなに面白いのか?」
と問いかけてみたところ、
ミニドラマが毎晩9時に動画配信されること、
早く続きが見たくて毎日楽しみにしていること、
原作本をお小遣いで買っていること、など、
うれしそうにたくさん話してくれました。
「本もあるのか?」
「あるよ。パパ、見に来る?」
「いやぁ、年をとってからできた子でしょ。
友達のお父さんより老けてるし、
禿げてるからかっこ悪いって、嫌われててね。
話しかけても返事もしてくれないんですよ。
それがねぇ、
小学校以来かなぁ、5年ぶりぐらいですよ。
部屋に入れてもらったの。」
目尻が下がったまろやかな笑顔で、
なめらかにお話が続きます。
やや強面のお顔立ちの方で、
自分にも部下にも厳しいお仕事ぶりで、
初日は、
研修なんてめんどくさいなぁと言いたそうな面持ちで、
一番後ろの席に陣取っていらっしゃいました。
それが、2日めは30分以上早く来られ、
最前列に座られています。
本当に昨日と同じ人ですか?
と言いたくなるほどの変化に、
他の幹部のみなさまも興味津々で彼を取り囲み、
ヒーローインタビューさながらに、
質問が止まりません。
「コーチングって、魔法ですねぇ。
先生は魔術師ですか?」
いえいえ、魔法を起こしたのは、あなたです。
実際に行動を起こした、あなた自身の力です。
講師の私は、
コーチングのスキルを職場や家庭で使えるように、
信頼関係を構築するための話の聴き方をお伝えし、
身につけられるように演習をしていただいた後、
「身近な部下やご家族の方のお話を、
好奇心を全開にして、
丁寧に最後まで聴いてきてください」
と宿題を出しただけですから。
相手が話してくれないのは、
どうせ聴いてもらえないと思うから。
うなずき、あいづち、繰り返し。
一生懸命聴くことで、
安心できる職場や家庭が増えると信じています。
この事例を紹介することを許可してくださったので、
幸せな上司や職場が増えるように願いを込めて、
幹部や管理職向けの研修でお話ししようと思います。
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