宝塚月組公演「桜嵐記」「Dream Chaser」の1回めの
観劇に行ってきました。
トップコンビ珠城りょうさんと美園さくらさんの
退団公演です。
この公演から下級生も半分ずつではなく全員が出演し、
生オケが復活して、迫力upしています。
新人公演も復活します。

上田久美子先生の久々の泣かせるストーリー。
珠城さんやさくらちゃんの持ち味が生きていて、
歌うまさんが要所で歌うのがせつなさを誘い、
芝居巧者が笑いと涙でお芝居を引き締め、
両サイドの花道で対峙する場面もあって、
あちこち見どころ満載です。
れいこちゃん(月城かなとさん)の和装の身のこなし、
ちなつさん(鳳月杏さん)の和化粧の美しさは
お2人の美しさと演技力でお芝居に厚みが出ています。
れいこちゃんの関西弁も新鮮で、
おいしい場面で笑いを持っていきます。

前トップスターの龍真咲さんが
「ありが大人の芝居をしてた!」と
Instagramで書かれていたとおり、
天皇を演じるありちゃん(暁千星さん)が
本心を抑えて天皇としてのことばを発するという
難しい場面を、歌舞伎役者のようなたたずまいで
口にしていない本音が聞こえてきそうなお芝居を
されていました。
楠木正行と黙って並んでいる場面でも、
幼友達を思う気持ちが伝わってきました。
オペラでアップで見ていると、
ありちゃん、泣いてる……
涙がつーっと流れてていくのが見えました。
心のこもったお芝居に胸をうたれます。
終盤に歌も聴けたので、大満足です。
ありちゃんの安定感のある歌声が大好きなのです。

この公演を最後に専科に異動されるお2人が、
既に専科ですよね、と思うほどの名演でした。
高師直を演じる紫門ゆりやさん、
こんな悪役、月組にいた?と一瞬誰かわかりませんでした。
ロイヤルと呼ばれ、白い役が多かったゆりちゃんですが、
私は「THE KINGDOM」のときの悪役が大好きで、
ゆりちゃんの悪役が見たかったので念願が叶いました。
まゆぽん(輝月ゆうまさん)の貫禄と歌。
ずっと月組でいてほしかったので残念ですが、
亡き楠木正成の影響力を圧倒的な存在感で演じられ、
なぜ正行が意志を貫くのか、説得力がありました。
100周年の「宝塚をどり」でソロで歌われたときから
まゆぽんの歌が大好きなので、ソロがうれしかったです。
歌うまさんといえば、
この公演で退団されるつっちー(颯希有翔さん)も
雰囲気を一気にもりあげる場面で歌声が響きました。
娘役さんはあまり出番が少ない作品ですが、
芝居がうまい蘭世惠翔ちゃんが
おびえてずっと震える演技を続けていて、
高師直の黒い役が際立っていました。
白雪さち花さんはどこにいても存在感があるので、
2役を演じられていて、最初は混乱しました(笑)
きよら羽龍さん、詩ちづるさんは安定のかわいさで、
再下生の106期の一乃凜さんにお役がついていて、
少年役を生き生きと演じられていました。

ショー「Dream Chaser」は、
お芝居であまり出番がなかったダンサーさんが
下級生まで大活躍のショーでした。
贔屓目かもしれませんが、
ありちゃんのショー?と思ってしまうほど
ありちゃんが出づっぱりで、ファンはうれしいです。
まず、スパニッシュの場面がかっこいい。
ありちゃんが本領発揮で鮮やかに踊り、
さくらちゃんも持ち味前回の勢いよいダンスで
お似合いのペアに見えました。
ミロンガのありちゃんはさらにかっこいい。
結愛かれんちゃんと蘭世惠翔ちゃんに囲まれて
あやしげでもあり、キラキラ感もあり。
れいこさんのK-POPは、まさかのラップ。
激しく動きまくりながら、歌い続けます。
夢奈瑠音ちゃんのスタイルの良さが際立ってました。
瑠皇りあちゃんもかわいかった。
れいこさんとうみちゃん(海乃美月さん)の
次期トップコンビのダンスは見目麗しく、眼福です。
うみちゃんのドレスさばきの美しさは定評があって、
これからたっぷり見られるのが楽しみです。
そしてなんといっても、フィナーレ。
フィナーレらしいダンスが終わった後で、
ファン泣かせな場面がありました。
珠城さんと男役さん1人1人との場面があり、
見送るスターさんたちの珠城さんへのまなざしが
あたたかくて、涙腺が一気に崩壊します。
が、るう組長(光月るうさん)……
ポケットから白いチーフを出して、
珠城さんのお顔の汗をポンポンとぬぐってあげていて
ツボでした。
と、つい、月ファンとして熱く語ってしまうほど、
大満足な演目でした。
あえて言えば、退団者ピックアップの場面を
しっかりつくってほしかったかも。
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